制服の意義
高校生の時誰しも普段着で学校に行けたらいいのにと思ったことはないだろうか??そんな思春期真っ只中のユキヒサ君のお話。
ユキ「まじ制服とか堅ッ苦しくていやんなっちゃうよな、なぁ??タカシもそう思わねーか??」
タカ「あぁ、そう思うぜ。俺もブランド品で学校きてぇーよ。」
ユキ「ブランド品って、、、どんだけお前はボンボンなんだよ。。」
タカ「フツーだよフツー。」
そんなたわいもない話をしていた俺たち。この俺たちの思想をもっと広げたら生徒会まで届いてもしかすると革命が起きて制服廃止になるんじゃないかと思った俺たちはポスターを作り、それをつかって同志を集めた。
ユキ「全校生徒の三割くらいは集まったな。」
タカ「これだけ集まれば次の生徒集会の時に意見言えそうだな。」
そんなイケイケな俺たちの前に学年で一番の哲学者コウキ君が現れた。
コウ「君たちは制服が自由を奪っているというがそもそも自由がどんなものかわかっているのかい??」
ユキ「あぁ??自由の意味くらいわかるぞ。自由ってのはな、誰からも縛られず自分で決定できる素晴らしいものなんだぞ!!」
タカ「拍手喝采!激しく同意。さすがだユキヒサ。」
コウ「やはり君たちは何も理解していないようだね。」
ユキ「なんだと???」
コウ「自由っていうのは確かに君の言った通り誰からも縛られず自分で決定できるものだよ。でもね、自由には責任という言葉と表裏一体なんだ。」
ユキ「ひょうり??いったい??ん??」
コウキは話を続けた。
コウ「仮に制服を排除したとしよう。そうなるとどういうことになると思う??」
タカ「そうなったらおれたちの勝利だぜ。毎日好きな服をきてみんなハッピーだぜ。」
コウ「そうだね。好きな服を着れる。しかしその普段着姿がさらにエスカレートしてもっと奇抜なものになっていき学校全体がそういう雰囲気になっていったら就職活動で苦労するのは君たちだ。制服のデザインが悪くてそうなったのなら学校のせいにできるだろう。しかし、この制服廃止という計画は学校の意向ではない生徒達の意向だ誰のせいにもできなくなる。」
ユキ「そ、そんな廃止してからじゃないとわかんねーだろ、、。」
コウ「そうだね、仮にこの事態にならなくてもまだ問題は出てくる。それは、生徒間での経済格差だ。」
ユキ「は??」
コウ「タカユキくん君のうちは親が会社の社長でかなりの裕福な家庭みたいじゃないか。」
タカ「おう。お金持ちだぞ。」
コウ「そういったお金持ちの家は私服をどんどん買うことができるだろう。しかし、みんながみんなそんなに裕福じゃない。」
ユキ「そんなの一着を使いまわせばいいじゃねーか!!」
俺は堂々と言い放った。
コウ「毎日同じものを着て行ったら汚いとか本当に洗っているの?とかと噂されいじめに発展してしまう危険性もあるんだ。そうならないために制服はあって毎日みんな同じものを着るようになっているんだ。まぁ、統率性とかもあるんだけどね。首謀者の君たちに僕が言ったこの問題が仮に起こってその責任が取れるなら僕はもう何も言わない。それじゃあね。」
こうして制服廃止運動は廃止された。